作業用グローブの正しい選び方 |Vol.2
本記事は、Mechanix Wear APAC Managing DirectorのDamione Wrightが、オーストラリアの安全業界誌『Safety Solutions』向けに執筆した記事をもとに、Mechanix Wearのグローブ選びに対する考え方を紹介する全3回のシリーズです。
見落とされがちなのは、「実際にそのグローブを使う人」のこと
人は、ただルールに従ってグローブを着けているわけではありません。
実際の作業では、プレッシャーのある状況やさまざまな環境の中で、「このままグローブを着けて作業するか、それとも外すか」を何度も判断しています。
つまり、グローブが実際に使われるかどうかも、保護性能を左右する重要な要素なのです。
作業中には、
-
そのままグローブを着けて作業する
-
細かな作業のために外す
-
別のグローブに交換する
-
破損したグローブをそのまま使い続ける
-
グローブを着けるというルールを避けて作業する
といった判断が繰り返されています。
そして、その判断には、
-
危険に対する意識
-
作業のしづらさ
-
周囲の環境や習慣
-
快適性
-
グローブへの信頼
-
必要なときにすぐ手に入るかどうか
などが影響します。
作業を遅らせたり、手の感覚を損なったり、暑さを感じさせたりするグローブは、どれだけ高い保護性能を持っていても、「作業しづらいから外そう」と思われてしまう可能性があります。
だからこそ、快適性やフィット感は単なる付加価値ではありません。
危険な作業をしている間も、グローブを着け続けられるかどうかを左右する、大切な要素なのです。

「作業内容」に合わせてグローブを選ぶ
グローブを選ぶとき、単純に「この仕事にはこのグローブ」と決めてしまうのではなく、実際にどんな作業をするのか、どんな危険があるのかを考えることが重要です。
たとえば、
-
メンテナンス作業
-
足場作業
-
掘削作業
-
緊急対応
-
倉庫でのピッキング
など、どれも「グローブが必要な仕事」ですが、必要な保護性能や使いやすさはそれぞれ異なります。
すべての作業に同じグローブが適しているわけではありません。
グローブを選ぶときには、
-
何によって手を切る可能性があるのか
-
何かが手に突き刺さる可能性があるのか
-
手を挟んだり、強い衝撃を受けたりする可能性があるのか
-
火傷、汚染、化学物質によるダメージの可能性はあるか
-
一時的な接触なのか、繰り返し接触するのか、液体に浸かるのか
-
乾燥、濡れ、油、高温、低温、鋭利なものなど、どんな環境で使うのか
- 手やグローブが機械などに巻き込まれる危険はないか
-
他の保護具と一緒に使う必要があるか
といった点を考える必要があります。

価格だけでは見えない「本当のコスト」
最も安いグローブが、必ずしも最もコストパフォーマンスが高いとは限りません。
すぐに傷んでしまったり、作業中に何度も外したり、在庫切れで別のグローブに替えたり、使いにくさから作業者に敬遠されたりすれば、結果的にコストは高くなります。
だからこそ、グローブは単純に「1ペアいくらか」だけで考えるのではなく、「実際にどれだけ長く、効率よく使えるか」まで考えることが大切です。
実際のコストには、
-
どれくらい長く使えるか
-
どのように破損するのか
-
どれくらいの頻度で交換するのか
-
廃棄にどれくらいコストがかかるか
-
在庫を管理する負担
-
必要なときに在庫がないリスク
-
代替品を使うことによる影響
-
トレーニングにかかるコスト
-
作業効率への影響
なども含まれます。
もちろん、「一番高いグローブを買えばいい」ということではありません。
大切なのは、価格の違いによって何が得られるのかを考えることです。
たとえば、
-
より高い安全性
-
継続して着用しやすいこと
-
より長く使えること
-
作業がしやすいこと
-
必要なときに安定して入手できること
につながっているのかを見極める必要があります。

参考記事:
本記事は、Mechanix Wear APAC Managing DirectorのDamione Wrightがオーストラリアの安全業界誌『Safety Solutions』に寄稿した 「The glove paradox: why procurement should buy hand-protection outcomes, not SKUs」 をもとに、日本の読者向けに編集・再構成したものです。
The glove paradox: why procurement should buy hand-protection outcomes, not SKUs — Safety Solutions